何の前触れもなく現れる使途たち。
エヴァンゲリオンの根本的な疑問なのにもかかわらず、あまり語られていません。
その使徒たちはいったいどこからきて、目的はなんなのでしょうか?
Contents
使途はどこからきたのか
かつて宇宙に存在した、「第1始祖民族」と呼ばれる存在
(裏設定のため、アニメでは一切登場しません)によって生命体の種が宇宙にばらまかれました。
そのうちの2つ【白き月】と【黒き月】が、はるか昔に地球に飛来してきました。
本来、別々の星にたどりつくはずだった2つの月の白き月は南極に落下して、
黒き月は現代でいう箱根に落下してしまいました。
そして、白き月は第1使途のアダムを生み出し、黒き月は第2使途のリリスを生み出しました。
アダムからは第3~16使途が、黒き月からは地球の生命の元が生まれて、進化の果てに地球人類(リリン)も含めた数々の生命が生まれました。
使途の目的
使途は、必ずNERV(ネルフ)に向かって進行しています。
この進行を、エヴァンゲリオンで立ち向かい、第3新東京市にあるNERV本部を守るというストーリーです。
なぜ使途はNERVに進行しようとしているのか
NERV本部の地下に「リリス」がいるからです。
第2使途リリスは魂を抜かれた状態で、体だけがはりつけにされていました。
実は使途はジオフロントにいるリリスを、アダムと勘違いして攻めてきていたのです。
なぜアダムとリリスが間違えたのかはわかっていません。
これは使途だけではなく、一部の人間もそう思い込まされていたのです。
使途とアダムが接触したらどうなるのか
「サードインパクト」が起きます。
サードインパクトとは
人類の祖先である第一使途のアダムとエヴァンゲリオンを融合することで発生する強大な自我によって、
人間の持つ心の壁を取り払い、肉体を消滅させて
人類すべてをエヴァンゲリオンのエントリープラグの中にあるL・C・Lという液体に変えてしまうことです。
このL・C・Lは別名「生命のスープ」と呼ばれており、この液体が第一使途から海に流れ出たために地球に生命体を作り出したと考えられています。
人間の持つ「心の壁」とは
エヴァンゲリオンでは「ATフィールド」と呼ばれています。
使途やエヴァンゲリオンの機体はATフィールドを相手の侵入を拒む壁として使ったり、
相手を攻撃する武器として使われています。
人間に言い換えると、自分と他人との違いを自我として認識している心ということになります。
よって、心を開放してしまったら、相手との境界線になっている肉体を持つ必要がなくなってしまい、
人間は元の生命のスープであるL・C・Lにかえっていくという意味です。
使途の正体
使途とはいったい何者なんでしょうか?
第1使途と第2使途の2体は、どちらとも生命の源となる存在です。
第1使途のアダムから生まれた生命が「使途」
第2使途のリリスから生まれた生命が「人類(リリン)」になったのです。
第3使途以降の「使途」と「人類」はアダムとリリスはそれぞれ別の使途から生まれた子供同士とも言えます。
使途と人類の違い
「生命の実」を得たヒトが使途
「知恵の実」を得たヒトが人類
と言われています。
生命の実とは「S²機関」と呼ばれる使途の持つ永久の動力源です。
知恵の実を得た人類は永遠に生きることはできませんが、科学の力で繁栄することになりました。
使途と人類が戦う理由
ゲーム「新世紀エヴァンゲリオン2」に収録された情報によると、
先に地球に到着したアダム発祥の生命よりも、後から地球にきたリリスから誕生した人類のほうが地球上で繁栄してしまったのです。
ひとつの星で繁栄するのは、ひとつの生命の種のみです。
使途と人類の戦いは、アダムとリリスそれぞれの種の生存をかけた戦いになります。
ちなみに、アダムは西暦2000年に南極で発生したセカンドインパクトによって、
肉体がバラバラになってしまっています。
使途一覧
使途には全部で18体存在します。
第1使途 アダム
アダムは第3使途~第16使途までの使途の生命の起源となっている使途です。
本作の15年前、南極で起きた人口を半減させた大災厄「セカンドインパクト」を引き起こした原因です。
アダムは南極で碇(いかり)ゲンドウたちによって退化させられて、それ以降は魂と肉体がバラバラに管理されることになりました。
肉体はゲンドウが持っており、魂は第17使途として再生しています。
使途を迎撃したEVAも初号機以外は元はアダムです。
第2使途 リリス
リリスは人類の産みの親にあたる使途です。
NERV本部の地下ではりつけにされていて、使途から守るために管理・監視されています。
EVAの初号機の元はリリスです。
魂は零号機パイロットの綾波レイの中に移植されています。
彼女は人類の根源です。
その存在を守るため、綾波レイが埋まっていた場所の上にNERV本部と第3新東京市が作られました。
第3使途 サキエル
EVA初号機の初めての戦いの相手となった使途です。
セカンドインパクト以来の使途になります。
初号機の片腕を折って、活動停止に追い込むくらいの圧倒的戦力でしたが
再起動後の暴走状態の初号機にコアを傷つけられてしまい、初号機を巻き込む形で自爆してしまいました。
第4使途 シャムシエル
四肢がなく、筒状の胴体にムチのような腕を持ちます。
足がないため、飛んで移動します。
コア以外の傷がほとんどなかったので、シャムシエルはサンプルとしてNERVに回収されています。
第5使途 ラミエル
正八面体の形をしています。
長射程の加粒子砲を撃つので、EVAも近づけませんでした。
そのため、日本全国から電力を集めて電子砲を撃つ「ヤシマ作戦」が実施されたため、
ラミエルは撃破されました。
第6使途 ガギエル
ガギエルは第3新東京市ではなく、海から現れました。
理由は、ドイツから運搬中であった胎児状態になっているアダムを狙ったからです。
弐号機を海に引きずり込んで有利に戦おうとしましたが、弐号機がその口をこじあけ、そこに2隻の戦艦が同時射撃を叩き込んだため、全滅しました。
第7使途 イスラフェル
使途の名前の中で唯一イスラム教に由来しています。
二足自立型で、最初の襲来は弐号機が戦いました。
自己再生能力が高いのも特徴です。
第8使途 サンダルフォン
さなぎの状態で発見された使途です。
最初は弐号機による捕獲作戦が遂行されていましたが、
途中で羽化したため、作戦が変更されました。
第9使途 マトリエル
クモのような形の使途です。
マトリエルは目から溶解液を地面に注ぎ込み、本部への侵入をしようとしました。
ファンの間では使途の中で最弱と言われるのが多いです。
第10使途 サハクィエル
宇宙から襲来して、自身の体を切り離し、爆弾として投下する攻撃をします。
すべての使途の中で最大と言われています。
第11使途 イロウル
搬入物にまぎれこみNERVに侵入し、壁のしみとして現れました。
そしてNERVのスーパーコンピューターMAGIをハッキングして、システムを乗っ取りました。
ですが、最後は赤木リツコによって逆ハッキングされてしまい、自滅促進プログラムによって自滅しました。
第12使途 レリエル
夜をつかさどる天使の名前を持つ使途です。
白と黒が印象的な球体として現れますが、球体自身はパターンオレンジだったために
使途とは判定されませんでした。
球体自体は影のようなもので、本体は球体の下にある影のほうになります。
本体にはき虚数空間が広がっていて、初号機をここに取り込みました。
虚数空間内で、パイロットであるシンジとコミュニケーションをとろうとしたりなど、ほかの使途にはない行動を見せました。
第13使途 バルディエル
粘菌状の使途です。
シンジの友人である鈴原トウジがパイロットとして乗り込んで起動実験をしていたEVA参号機に寄生しました。
最終的にはダミープラグによって参号機とともに破壊されてしまいました。
これによってパイロットであっトウジは片足を失ってしまいました。
第14使途 ゼルエル
力の天使の名前を由来に持ちます。
最強と言われている使途です。
顔の部分からこれまでの使途とは比較にならないほどの破壊力を持つ光線が発射されます。
第15使途 アラエル
発光する鳥のような形をしている使途で、衛星軌道上に浮かんでいます。
謎の光線により人間の精神に干渉してくるため、直接的な攻撃はしてきません。
弐号機のパイロットのアスカはこの精神攻撃によって活動停止に追い込まれてしまいました。
第16使途 アルミサエル
二条螺旋の形をもった使途です。
レリエルやアラエルのように人間の精神にコンタクトをはかってくる使途です。
第17使途 タブリス(渚カヲル)
ゼーレによってNERVに送り込まれたフィフスチルドレンの渚カヲルの正体がタブリスです。
タブリスは人工的に作られた使途で、魂は第1使途のアダムのものです。
アダムをベースに作られたEVAなら、搭乗せずに動かすこともできます。
この力によって弐号機を遠隔操作してターミナルドグマに侵入し、
地下にいるアダムと接触しようとしました。しかし、そこにいるのはリリスです。
それを知ったら抵抗をやめて、初号機に自分自身を殺すように頼み、最後は初号機によって殺されてしまいました。
ちなみに、渚という漢字を分解すると「シ者」となります。
渚カヲルが登場する回のタイトルは「最後のシ者」でした。
「カヲル」を五十音順でひとつ前の文字を並べると「オワリ」という文字になります。
第18使途 リリン
カヲルが言う「リリン」という言葉は、第18使途を指します。
人類はリリスから生まれた存在であるため、使途の一部でした。
人類と使途との戦いは、リリス由来の使途とアダム由来の使途との戦いであったのです。
まとめ
使途の正体は、第1使途であるアダムの子供たちということがわかりました。
そして使途は、「第1始祖民族」によってつくられ、
自分たちの生命体を存続させることが目的だったのです。
そして使途たちを知るともっとエヴァンゲリオンが楽しめそうです。
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