中国が台湾侵攻を想定できる「軍事演習」を実行したことが大きな波紋をよんでいます。
軍事演習を行ったのは、2022年8月4日〜2022年8月7日の4日間でした。
中国軍の孟祥青少将が「今回の軍事演習は最も規模が大きく、最も力が入った抑止力のある演習」と発言しているくらいの大規模なものでした。
中国と台湾は、台湾を自国に統一したい「中国」と、独立国家を自認している「台湾」という関係性です。
今後の中国の動向から、「戦争の可能性」や「日本への影響」を考えてみましょう。
Contents
台湾侵攻予言の理由
中国は、台湾を取り囲むように「6箇所の軍事演習区域」を設定しました。
台北から22.5km、高雄から16.5kmの位置などを演習区域に設定するなどしました。
台湾メディアからは、台湾封鎖と報じられる程でした。
この封鎖状況をみると、台湾への上陸や攻撃を用意に想定できます。
今後、台湾侵攻を予言する軍事演習だと認識するには充分です。
台湾はいつから中国に?
台湾の正式名称は、中華民国。
1943年。カイロ宣言により「日本が清から盗取した台湾を、中華民国に返還するべき」として定めた
1945年。第二次世界大戦で日本が敗れた時に、台湾省として中国の一部として編入しました。
1949年。国共内戦の末に、中華民国は政府を中国大陸から台湾島へ移転しました。
中国と、台湾という2つの政府が存在しているということですね。
軍事演習内容とミサイル発射
2022年8月4日から7日までの4日間に実施された軍事演習を振り返ってみましょう。
それぞれ、裏に隠された意図的なシナリオがみえてきます。
軍事演習内容
8月4日(1日目)
中国内陸部、福建省、浙江省の3カ所から弾道ミサイル11発を発射(中国発表)
日本防衛省は、15時から16時までで9発発射されたと発表
福建省から発射された4発は、台湾上空を通ったとされる。
福建省からの4発、浙江省からの4発の合計5発が日本のEEZ(排他的経済水域)にはじめて落下しました。
8月5日(2日目)
海空統合訓練。
演習参加:中国軍機68機、艦艇13隻
戦闘機30機が台湾と中国の中間線を超えました
さらに、68機全てが台湾の防空識別圏を超えました(過去最多)
8月6日(3日目)
陸地攻撃を重点に置いた演習
演習参加:中国軍機20機、艦艇14隻
中国軍機20機全てが中間線を超えました
8月7日(4日目)
統合火力訓練
対地上攻撃や、長距離対空攻撃の演習実施
演習参加:中国軍機、艦艇、無人戦闘機
ミサイル発射状況
今回、27年ぶりに弾道ミサイルを発射した中国。
初めて日本のEEZに落下したことから、日中関係も緊張感が増したことは間違いないです。
この軍事演習は、今後の台湾進行のシナリオを想定しているとしか思えません。
台湾侵攻はいつ?
2027年の可能性が最も有力です。
中国人民解放軍が創設されて100年にあたる年です。
さらに、習近平国家首席が続投していれば3期目の人気終了の節目の年です。
この年に向けての台湾侵攻が一番可能性が高いといえます。
日本への影響と、戦争の可能性
台湾侵攻は、日本に対して大きな影響を与えることは間違いないです。
日本への影響
6つの軍事演習区域を台湾を囲むように設定したことで与える影響
・シーレーン(国際交通路)遮断により物流停止
・タンカーの航路を遮断
・日本からヨーロッパへの行き来が遮断
・シーレーン遮断により輸出入に時間と費用が増加する
・与那国島や宮古島に中国兵上陸の可能性
・尖閣諸島も同時に取られる
米中の台湾をめぐる戦争の可能性
2022年8月2日、アメリカのペロシ米下院議長が台湾を訪問しました。
中国はアメリカに激しく反発しました。
その後の軍事演習でした。
アメリカに自国の軍事力をみせるためだろうか、明らかな侵攻演習と言えます。
本当に台湾侵攻を進めた場合、中国とアメリカが戦争になる事も十分予測できます。
ただし、中国とアメリカが戦争をすると、日本は必ず巻き込まれることになるでしょう。
日本政府が、どのような対策をしていくのかも気になるところです。
中国軍事演習における日本の反応
2022年8月6日、7日の2日間で擬似政府を設置しての台湾政策シミュレーションが行なわれました。
防衛相経験者や、元自衛隊幹部などが参加しました。
シミュレーションシナリオ
(2027年を想定)
シナリオ①8月
米中の緊張が高まったと想定
尖閣諸島周辺に、武装した漁船200隻
日本は中国が尖閣諸島侵攻の動きをみせたら、自衛隊を先に上陸させる作戦を練る
シナリオ②9月7日
中国漁船団が海上保安庁の巡視船と衝突。
武装した漁民が尖閣諸島に上陸(自衛隊の上陸が間に合わず)
さらに、中国本土から台湾へミサイル攻撃が同時発生。
日米安保条約第5条の適用を求め、首脳会談を求める。
中国から尖閣諸島に対する攻撃は、日本への攻撃と同じであり、台湾と尖閣諸島はセットとして考える事。
ここで問題点
・武装した漁民が尖閣諸島に上陸した事が、「武力攻撃事態」に当てはるのか?
・自衛隊の移動や、物資輸送がスムーズに行なわれるのか?
そうこうしている間に、自衛隊到着前に「海上保安庁」「沖縄県警国境離島警備隊」から犠牲者が出てしまいました。
犠牲者がでた背景は、政府による事態認定の難しさがあったことでした。
何度もシミュレーションを行い、迅速で効果的な対応ができるように、日本も軍事練習が必要だと考えます。
まとめ
今回は、台湾侵攻と、日本への影響などについてご紹介しました。
台湾進行について、中国とアメリカにおける緊張感が高まっています。
台湾の有事は、日本の有事に匹敵します。
今回、日本政府が台湾政策シミュレーションを行ったこと自体は評価したいところですが、もっと精度を高めていって欲しいものです。
そして、私たち日本人も台湾侵攻における日本への影響を考えるべきです。
今後、中国がどのような行動に出るのかとても気になるところですね。
そして、他人事ととらえずに当事者意識を持ってこの問題を考えていきたいですね。
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