台湾といえば、日本人にも人気の観光地。近年では若者を中心にタピオカなど台湾スイーツが人気を博しました。そんな台湾ですが、今ウクライナ軍事侵攻に乗じて中国が軍事侵攻してくるのでないかと警戒されています。
この記事では、
「中国と台湾との関係について」
「中国が台湾に侵攻した場合、日本の影響は?」
「台湾有事が起こった際をシミュレーションしてみた」
について詳細にまとめたものになります。今の世界情勢についてわかりやすく解説していますので是非最後まで読んでみてくださいね!
Contents
中国と台湾との関係について【台湾問題】
ここで少し中国と台湾との関係について触れておきますね。まず台湾は日本では国のように認識している人が多いと思いますが正確には島の名前であり、中華民国といいます。
歴史をたどること1895年。日清戦争に勝利した日本は清国から台湾を獲得。その後中国では清が倒れ連合国である中華民国の支配下に移ります。そして中国でも国が割れ国民党と中国共産党とに分かれます。結果として国民党政府とそれを支持する市民が追いつめられる形となりそこで逃げ込んだのが台湾。こうして台湾=中華民国が形づくられました。
そして残った中国共産党を中心に中国(中華人民共和国)が建国されます。
建国後、中国(中華人民共和国)では今日まで台湾を「国内(中国)の一部」と認識しています。そして中国以外の国でも現在世界認識としてそういう風にとらえている国が多いです。
しかし台湾も負けてはいません。台湾も「自国が中国」だと主張し、中国と台湾が一つの中国を巡ってずっと争っているのがいわゆる台湾問題と呼ばれています。(台湾有事と呼ばれることもあります)
しかし近年、台湾では中国を名乗るのではなく、「台湾」として建国したいという動きに変わりつつあります。しかし中国では依然台湾を正式に中国の領土にしようと一歩も引かない考え方にあるのです。
台湾に対する中国の軍事的圧力は日に日に強まっている
台湾の国防部長は、「中国は2025年には全面的に台湾に侵攻できる能力を持つ」と語っています。結論から言うとこれまでにない程中国による威嚇がエスカレートしているのが現状です。
これに対し、台湾の蔡英文(さい えんぶん)政権は、中国には屈しない強い姿勢を示し、最近では台湾軍がアメリカ軍から支援を受け、合同軍事演習を行っていることが明らかになりました。
また、英国やオーストラリアなどが相次いで台湾へ接近。当然これをよく思わない中国は軍用機を台湾が定める防空識別圏まで進入。また、2021年10月4日には、計56機の爆撃機と戦闘機の侵入が確認されました。この軍事的な動きに世界からは懸念の声が強まりました。
台湾有事が行われないという意見も
その一方で、「台湾有事が起こらないのでは?」という意見も見られます。
アメリカ軍統合参謀本部議長は、こう証言しています。
「中国にとって台湾は、依然として核心的利益。しかし、現時点で台湾を軍事的に統一しようという意図や動機もほぼない。近い将来それが起きる可能性は低い」
※核心的利益とは、中国の外交用語で、どんな代償を払っても守らなければならないという決心を表すときに使われる用語です。
また専門家の中にも
「アメリカ軍と衝突する可能性の高い台湾有事は、政治的にも軍事的にもハードルが高い」
という声も。
現在、日本は中国の動きを警戒中
日本の岸田首相は記者会見で「現在行われているウクライナ侵攻はヨーロッパだけでなく、アジアを含む国際社会の秩序に影響を及ぼす非常に深刻な事態」と述べ、特に日本にとって中国の動きに慎重になっている様子。
もし台湾問題が急変すると、近隣の尖閣諸島をめぐって中国と領有権紛争中の日本にも影響を及ぼす可能性があるため日本も他人事ではないからです。
また、アメリカ側では「6年以内に中国が台湾に進攻する可能性がある。中国優位の軍事環境が予想より早く到来する恐れがある」と指摘。
すべてはアメリカの動き次第
はっきり言ってしまうと台湾は、アメリカの軍事的な後ろ盾無くして、自身の存続を維持することはできません。ですので、台湾有事をとどまらせることができるかどうかは、アメリカが介入するか否かにかかっています。
それに、日本もそれ以外のアメリカの同盟国も、まずはアメリカが介入することを決断しなければ、単独で台湾を守ることはできません。
中国が台湾に侵攻したら…日本はどうなる?
台湾有事が起きれば、それがどのような形であったとしても、日本も当事者となることは確実であり、決して傍観者ではいられません。
ここで様々なシナリオが考えられます。
それは、
・離島に対する限定侵攻シナリオ
・経済・情報封鎖によって中国との外交交渉を強制するシナリオ
・武力行使を伴わないシナリオ
などが考えられます。
しかし一つ確かなのは、いずれも中国側から開始されるということなのです。
統一のため、中国が台湾全土への攻撃を始め、それにアメリカが加わる形で米中衝突に発展するという最悪のシナリオにはなりたくないですよね。
今のところそのシナリオは低いと言われている一方で、小規模な衝突によって一気に緊張が高まり、台湾で局地的衝突が生じる可能性は十分にありえます。
日本が拠点となる可能性は大きい
台湾有事が発生するとしたら、その場所は、中東から日本へ繋がる日本のシーレーンと呼ばれる海上交通路と非常に地理的に近い場所で行われるでしょう。
アメリカ軍が関与することが予想されますが、距離的に考えてその出発地点は日本の沖縄本島。仮にそうなった場合、中国軍による在沖縄米軍基地への軍事攻撃がより現実的となることに。
まとめ
以上が
「台湾問題についておさらい」
「台湾に対する中国の軍事的圧力は日に日に強まっている」
「台湾有事が発生したら日本はどうなるのかシミュレーションしてみた」
にまで触れまとめたものになります。
日本にとって台湾有事とは諸外国の問題ではなく、日本の平和を保つ為注意してみておくべき問題だと思います。
ここまで、日本が中国に対して危機感を持っていることをお話ししてきましたが、ネット上では、様々な憶測が流れていますので、それを全て鵜呑みにはしないで、冷静に物事を考えることが今は重要だと思います。
この記事が楽しい!参考になった!と思いましたら、下のボタンからシェアしていただけると幸いです!