8月7日、東京オリンピック卓球混合ダブルスで、日本卓球界初の金メダルを獲得した水谷隼さんは、「卓球から完全に離れる」と現役引退することを発表しました。
引退決意の理由は、眼の不調。
完治する症状であれば、40歳50歳になっても卓球をしたいと思っていたそうですが、それが叶わないほど視力が低下しているというのです…。
一体、水谷隼さんの目に何が起こっているのでしょうか。
この記事では、水谷隼さんの眼の不調について、それが起きた原因や、なぜ治療ができないのかについてまとめていきます。
Contents
水谷隼の引退理由は眼の不調!視力低下が著しい
現在32歳の水谷隼さんは、2020東京オリンピックを最後に、卓球現役引退することを発表しました。
引退の理由は、数年間に渡って悩まされてきた眼の不調によるもの。
卓球は、相手のフォームを見たり、瞬時に球のコースを読み取ったり、目をよく使うスポーツなので、眼がものを言うスポーツと言われています。
目が命綱ともされていますよね。
目からの情報が重要な卓球ですが、水谷隼さんは、8年も前の2013年から視力の低下に悩んできました。
特に水谷さんが苦しんでいたのが、2018年からの右目の不調。
右目に関してはただの視力の低下ではなく、光が当っている卓球台の上ではボールが見えなくなってしまうという現象が起こるようになりました。
大舞台での試合では、観客席が暗く、電光掲示板と、選手がプレーしている卓球台に光が集中するのが一般的ですよね。
つまり、水谷隼さんはこの数年、試合会場で球がほとんど見えない状態でプレーをしていたのです。
そのため、右目に不調を感じた後からは、相手が球を打った音は聞こえるが、ボールの位置がわからず対応に遅れが出ることがしばしばあったと本人は語ります。
ここ数年、試合中にサングラスをかけていたのは目に入る光を抑えるためだったのですね。
それにしても、試合中に球が見えないとなると、プレーするのが怖くなりますね…。
逆にそんな状態の中でも、2019年には全日本選手権で最多優勝記録の10回を達成するなど、実力のある選手だったことがわかります。
水谷隼、強い相手と戦う方が調子あがる孫悟空のそれ#世界卓球
— バジル (@Matilda_ajan087) May 4, 2018
なぜ眼に不調を抱えるようになったのか
視力低下がありながらも結果を残し続けた水谷隼さんですが、なぜ眼に不調を抱えるようになったのでしょうか。
原因は2つありました。
電光掲示板による視力の低下
まず、視力低下の原因として考えられるのが、試合会場周辺の電光掲示板です。
ちょうど水谷隼さんが視力の低下を感じ始めた8年前の2013年頃から、卓球の試合会場の広告が電光掲示板へと切り替わり始めました。
光の量が増えると目が疲れやすくなって視力の低下につながりますよね。
そのため、水谷さんの最初の視力低下の原因は、広告が電光掲示板になったためと考えられているのです。
さらに、他の選手からも、電子広告の色が白色やグレーっぽいと卓球の球の色と被り、見えにくくなるからやめてほしいという意見もあります。
レーシック手術が不調に関係?
実は水谷隼さんは、両目ともにレーシック手術を受けています。
右目に起こった球が見えない不調は、この手術が原因だともされています。
まず、2013年に左目の視力が悪くなったため、レーシック手術を受けました。
左目はそれで視力が回復し、卓球のプレーも絶好調になりましたが、次は2018年に右目の視力が悪化しました。
右目も同じようにレーシック手術をして回復させようとしましたが、その術後から、先ほどのようなボールが見えなくなる現象が起きてしまったのです。
水谷さんも最初の頃は、
・観客席が暗い
・卓球台に白い光が当たっている
・周囲の広告が電光掲示板の会場
という一定の条件下でのみ視力が悪くなっていたので、レーシックが原因ではないと言っていましたが、その後数年で、条件関係なく徐々に焦点が合いづらくなってきていると語られています。
さらに、検査の結果眼科医からは、
・レーシックの影響で角膜に少し凸凹がある
・その影響で乱反射が起きている可能性がある
・光の変化に瞳孔がついていけなくなっている
と診断されたのです。
わずかな角膜の凹凸で焦点が合わせられなくなるのですね…。
水谷隼さんの目は、数年かけてゆっくりと、光の変化に耐えられなくなり、プレー中以外にも支障をきたすほどとなってしまいました。
レーシックを受けると治療が難しい…
水谷隼さんの目の不調はレーシックが原因とわかれば、治療法があるのではと思ってしまいますが、実は、一度レーシック手術を受けると治療は難しいと言われているのです。
その理由は、レーシックが目の角膜を削る手術だからです。
そもそもレーシックとは、近視を矯正する方法の一つで、目の角膜を削って光の屈折率を変化させることで、遠くまで見えるようになります。
ただ、角膜自体は削られても修復することはありません。
角膜は薄いままになってしまうので、レーシックで不具合が出たからといって、もう一度削り直すことなどは難しいのです。
年々レーシック手術の精度は上がってきていると言いますが、過去の調査では、手術を受けた40%の人が何らかの不具合を抱えているとの結果も出ています。
水谷隼さんの場合も、角膜を二度削るわけにもいかず、有力な治療法がないままだったのです。
水谷が試した治療法、オサート治療とは
水谷さんは、有力な治療法がない中、東京五輪に合わせてオサート治療を始めていました。
オサートとは、凹凸のついた矯正用のレンズを就寝時に着用し、角膜の凹凸をクセづける治療法です。
そのクセづけによって、光の屈折を調整できるので、日中は裸眼で過ごすことができます。
オサート治療は、レーシックで不具合を持つ人でも治療できる方法として、最近注目を集めています。
ただ、就寝時毎日コンタクトを入れないといけないこと、費用が高額なこと、そしてその人に合った角膜の凹凸調整が難しいことがデメリット。
水谷隼さんは、オリンピックに向けてこの治療をし、見事混合ダブルス金メダルを獲得することができました。
ですが、この治療法でも水谷さんの目は完治しなかったので、現役引退の決意となりました。
まとめ
以上この記事では、水谷隼さんの眼の不調について、それが起きた原因や、なぜ治療ができないのかについてまとめたものになります。
眼の不調を抱えながらも日本卓球界を引っ張ってきた水谷隼さん。
そんな彼の現役引退は寂しいですが、誰よりも目のことで悩んできたと思うので、あまり不調を気にしなくてもいい、そんな環境で過ごしてほしいですね。
卓球選手以外での今後の活躍にも期待ですね!
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