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『もののけ姫』考察!ハンセン病患者とエボシの裏設定について深掘りしてみた!

 
宮崎駿監督『もののけ姫』映画公開後に、ハンセン病のことを知ってほしかったと語っています。

このことから、もののけ姫とハンセン病は関連付けて検索されることも多いのです。

実際もののけ姫には、女指導者・エボシが指揮をとっていたタタラ場に、ハンセン病を患っているとされる人が出てきます

では、なぜもののけ姫のハンセン病患者は、タタラ場にいたのでしょうか。

また、ハンセン病患者と一緒にいたエボシには裏設定があったことも明らかとなっています。

そこでこの記事では、ハンセン病患者がなぜタタラ場に登場したのかについて、さらに、エボシにはどんな裏設定があるのかについて考察をまとめています。
 

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Contents

もののけ姫にはハンセン病患者が登場


タタラ場という製鉄所全身包帯姿の人たちが出てきます。

その人たちが、ハンセン病患者だったのです。

彼らは、タタラ場の別棟で隔離されて生活しており、闘病しながら武器を作っていました

 

なぜ顔にまで包帯?


ハンセン病は、8世紀に作成された「日本書紀」にも記録が残っているほど、古くから確認されていた病気です。

ハンセン病の症状として、皮膚に斑点ができ、その部分の感覚がなくなります

症状が進行すると顔にも斑点が広がり、鼻や口など顔のパーツまでもが変形してしまうのです。

さらに進むと、斑点の部分から肉が腐り骨が出てくることもあるようです。

もののけ姫中に、全身包帯姿で登場したのは、斑点や変形してしまった身体を隠すためだったと考えられます。

 

なぜタタラ場にハンセン病患者が?

ハンセン病患者は、見た目が変わってしまうことから、治療法が確立するまで、長い間差別を受けていました

もののけ姫は、室町時代が舞台と考察されているので、すでにハンセン病が確認されていますが、その時代に治療法はありませんでした。

そんなハンセン病にかかって差別を受けている人をかくまっていたのが、エボシだったのです。

タタラ場は、エボシがハンセン病患者などに住処と仕事を与えるための場所でした

実際、エボシはハンセン病患者にも分け隔てなく接していて、
 

 
・「人」として扱ってくれたたった一人の人

・病を恐れず腐った肉を洗い、布を巻いてくれた

 
とハンセン病患者から慕われています

ちなみに、本来ハンセン病は、感染症の中で一番感染力が低い病気と言われています。

治療法が確立してからは完治する病気となり、万が一菌が体内に入っても、ほとんどの人が発症せず、自然治癒できるのです。

見た目が変化してしまうこと、昔は治療法がなかったことから必要以上に恐れられ、ハンセン病患者への差別につながっていました。

「人として扱ってくれた」というエボシに対する言葉から、ハンセン病患者がひどい差別を受けていたことがうかがえますよね。

ハンセン病にかかったら、周りに迷惑をかけないよう家や集落を出ていくことが多かったので、タタラ場はハンセン病患者にとって救いの場となっていたのです。
 

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エボシの裏設定を考察…エボシ自身も人身売買の過去が!


作中では語られていませんが、実はエボシは昔、人身売買されていた裏設定があります。

倭寇という海賊の頭目に買われ、そのとして組織に属していた過去がありました。

とても壮絶な過去ですよね。

エボシは、倭寇の中でも次第に統率力を発揮し、倭寇を支配できるような立場となります。

その後、エボシ自ら夫を殺害し、金品や武器などを持って日本に帰ってきたのです。

 

働いている女性も人身売買されていた


エボシ自身も人身売買されていた過去がありましたが、その経験から多くの身売りされている女性を保護しています。

それがタタラ場で働いている女性たちなのです。

エボシは全ての人間が人間らしく生きられる社会を作ることを目指していました。

そのため、同じように人身売買されていた女性たちや、迫害されているハンセン病患者を保護し、平等に生きられる場所を与えたかったのだと考えられます。

自身がつらい経験をしているからこそ、同じような立場に置かれた人々を救いたいと動くエボシは、人間の鏡ですよね。

 

エボシは命を落とす予定だった


「森の化身」であるシシ神の首を取ってしまったエボシは、デイダラボッチの暴走を引き起こしてしまいます。

エボシは社会的弱者からすれば善人ですが、森を守る立場からすると悪人です。

その報いとして、当初エボシは死ぬ予定でした。

しかし、宮崎駿監督が、殺すのは行き過ぎているから違う形にしようと主張しました。

ただ、そのまま生かしておくには物語として疑問が生まれるので、結果エボシは、犬神のモロの君に噛まれ、右腕を失うという現在の展開になりました。

エボシは人身売買されていた過去もあり、社会的弱者にも平等に接することのできる人情厚い人です。

完全に善悪のどちらかに分類することができないですよね。

実際エボシは、暴走したシシ神が消えた後、自身が行ってきたことを反省し、タタラ場を新しい村にしていこうと決意しています。

宮崎駿監督は、強く聡明なエボシだからこそ、報いとして殺すのではなく、反省させる道を選ばせたのですね。
 

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まとめ

以上この記事では、もののけ姫のハンセン病患者はなぜタタラ場にいたのかについて、また、エボシにはどんな裏設定があったのかについての考察をまとめたものになります。

エボシが唯一「人間」として扱ってくれたという描写から、ハンセン病患者はひどい差別や迫害を受けていたことがわかりますね。

宮崎駿監督は、エボシのことを「近代人」と表現しています。

社会的弱者を、自分の経験やそこから得た知識をもとに平等に接することができたからですね。

もののけ姫の中では、サンの敵として登場していたエボシですが、エボシの裏設定を知り、ハンセン病患者や身売りされていた女性の立場から見直すと、また違った感想を得られそうです。

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