ジブリの大ヒット作品の一つである『崖の上のポニョ』。
少年少女が主人公になることが多いジブリ作品ですが、『崖の上のポニョ』のそうすけはその中でも最年少です。
可愛らしいタッチの絵と、子供たちの純粋で一生懸命な姿に心を奪われてしまう作品ですね。
そんな『崖の上のポニョ』は海の女神であるグランマンマーレの母と人間の父親を持つ女の子のポニョと、そうすけの微笑ましい冒険の物語です。
魔法と現実が入り混じった不思議な世界が舞台のため、想像や考察が膨み、津波の予言など様々な都市伝説が生まれています。
今回はそんな『崖の上のポニョ』にまつわるさまざまな都市伝説を紹介します!
Contents
映画『崖の上のポニョ』にまつわる有名な都市伝説
『崖の上のポニョ』が実は死の世界を描いてる。
ポニョは死神だった…。
ネット上ではこのような都市伝説がたくさん見られます。
あんな可愛らしい姿をしたポニョが死神だとは信じられませんよね。
なぜこのような都市伝説がたくさん出回っているのか、その理由を考察していきましょう。
東日本大震災の津波を予言していた?
映画の公開は2008年ですが、その後2011年に東日本大震災が起き、津波により多くの命が奪われ、甚大な被害でました。
『崖の上のポニョ』は物語が進むにつれて、津波をイメージさせる描写がたくさん登場します。
かなり大胆に津波が描かれていることから、ネット上では予言だったのではないかとの声も目にします。
また、宮崎駿監督は1984年『風の谷のナウシカ』や1997年『もののけ姫』で地球環境をテーマにしています。
ここ十数年のあいだに、環境破壊が叫ぶ声が徐々に強くなっていますが、宮崎駿監督はかなり昔から環境問題を予測して作品を作っていたのです。
このことから、宮崎駿監督予言説が噂されるようになり、崖の上のポニョが東日本大震災の津波を予言しているという都市伝説が生まれたと考えられます。
宮崎駿監督はとうぜん予言説を否定し、「ポニョを悲観的なものにしたくなかった。」
とコメントしています。
崖の上のポニョは震災による津波をテーマにしたという意図は全くなかったようですね。
しかし、ポニョの津波の映像から、震災による津波を連想させるということと、都市伝説が重なって不謹慎だと思う人や、見るとつい震災の津波を思い出してしまう方も多かったようです。
この歴史的な大惨事によって、『崖の上のポニョ』はテレビでの放送もしばらく禁止されてしまいました。
その後テレビで放送されたのは、実に震災から約1年半が経った2012年8月24日のことでした。
死後の世界を描いている?
『崖の上のポニョ』は死後の世界を描いているのではないか、という都市伝説があります。
実は、津波により街が水没した時点で、街の人々はすでに亡くなっていて、魂が天国へと移動し、終盤のトンネルを抜けた後の描写は、この世ではなく死後の世界である、といわれています。
津波により街が水没したにも関わらず全員が無事であったこと。
そして老人ホームにいたおばあさんたちが、急に歩いたり走り回ったりできるようになったこと。
水の中にいるにもかかわらず、会話をしたり呼吸ができるようになったこと。
また、足の悪かったおばあさんが走り回りながら「天国もいいわね。」と話しているシーンもあります。
これらのシーンから、死後の世界という可能性はかなり高いでしょう。
また、音楽担当の久石譲さんがインタビューの中で、「死後の世界や輪廻転生などの難しいテーマを投げかけながら、子どもたちからは少年の冒険物語に見えるという二重の構造を表現するのが難しかった。」と、コメントしています。
ポニョは死神だった?
フジモトがそう呼んでいたように、ポニョの本名はブリュンヒルデです。
ブリュンヒルデとは北欧神話に出てくるワルキューレの一人です。
ワルキューレは戦死した者のうち、誰が生きる/死ぬのかを決め、死者を最高神オーディンの元へ連れていく役目を担う女性たちの軍団、といわれています。
映画の冒頭でフジモトがポニョとその妹たちに、クラゲを栽培している様子を見せようとしていました。
また、カニがフジモトの家に侵入したシーンでフジモトは、「カニ除けの結界が緩んでいたとは。生態系のバランスを崩すところだ。」とつぶやいています。
このことから、フジモトはこの世である地球の生態系のバランスを保つ役割を担っていることが分かりますね。
そしてこの仕事を見せられていたポニョたちは将来、フジモトの役割をサポートしていくことになります。
ワルキューレの一人であるブリュンヒルデの名前をもち、生態系のバランスを保つサポートを担う、となるとそれは、増えすぎた生物を殺して減らし、生態系のバランスを保つことではないでしょうか。
つまりポニョは死神を表現しているのではないかと考えられているのです。
数字の『3』にまつわる都市伝説
『崖の上のポニョ』には、霊魂を表す数字とされる『3』がたくさん出てきます。
映画の裏テーマの一つに、生死を繰り返す輪廻という言葉がありますが、それをこの数字が表していると考えられます。
たとえば、
・ポニョは3つの姿を持っている
・ポニョは作中で3回だけ眠りについている
・リサが乗っている軽自動車のナンバーが333
・リサの3つの確認(水出る?火出る?電気つく?)
・グランマンマーレから宗介に3つの質問をする
本当に様々なシーンで『3』が出てきますね。
これは、数字の1は男性を表し、2は女性を表すとのこと。
1+2=3となるため、3は男性と女性から生まれた新しい命と考えられるそうです。
そして「崖の上のポニョ」のキャッチコピーは「生まれてきてよかった。」です。
これらの数字が意味を持っていると感じずにはいられませんね。
そうすけとトキにまつわる都市伝説
トキは他の老人ホームの人たちとは行動や反応が異なり、この映画において特別な存在であるといえます。
海からやってきたポニョをそうすけが老人ホームの人たちに見せたとき、ほかの人たちは金魚だと認識していますが、トキだけは人面魚だと言っていました。
さらに、人面魚は津波を引き起こす、とこれからの出来事を示唆するような言葉も口にしています。
また、トキはクラゲドームには行かないで地上にとどまります。
そして、クラゲドームへ行こうとフジモトから誘いを受けている宗介に対して、「騙されるんじゃないよ!」と警告するのです。
終盤では、グランマンマーレの3つの質問に答え終った宗介を、母親のリサではなくトキが抱きしめているシーンがありました。
一連の不思議な行動から、トキには物事の真実を見抜く力があると考えられています。
まとめ
今回は、『崖の上のポニョ』を語るうえで外せない津波と、それにまつわる都市伝説を紹介しました。
『崖の上のポニョ』に限らず、ジブリ作品はさまざまな都市伝説が噂されることが、とても多いですね。
それだけ、見えにくい細かなところまで作り手の想いがちりばめられているのでしょう。
『崖の上のポニョ』では、津波によって街が飲み込まれてしまうシーンはとても感慨深く、ジブリ作品に込められた作り手の想いとは何なのかを、深く考えながら見たい作品でした。
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