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千と千尋の神隠しの最後のシーン考察~豚の問題の意味や振り返るとどうなってしまうのか?

 

スタジオジブリの映画の中でも絶大な人気を誇る作品『千と千尋の神隠し』

2001年に公開された宮崎駿監督の作品です。

最近は再び興行収入が更新されたことでも話題になりました。

 

不思議な世界観が特徴の人気作品ですが、見ていて謎が残るシーンも数多く存在しますよね。

今回は物語の最後のシーン、「豚の問題」の意味と

「振り返るとどうなってしまうのか」の2場面について考察していきたいと思います。

 

思わず感動してしまう、「豚の問題に宮崎駿監督が込めたメッセージ」や、

「ちょっとゾッとしてしまう、最後に振り返ってはいけない理由」が分かりました!

 

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Contents

豚の問題の意味

 

なぜ両親は豚になってしまったの?

引っ越し先に向かうため車で移動中の千尋と両親。

途中で道に迷ってしまいましたが、森の中に古びたトンネルを見つけます。

トンネル抜けると、そこには無人の不思議な世界が広がっていました。

 

無人の屋台に並ぶ美味しそうな料理を見た両親は、なんと勝手に食べはじめてしまいます。

料理を貪る両親に驚く千尋。

やめさせようと近づくと、両親は突然豚の姿になってしまいました。

 

実はトンネルの向こうの世界は神様たちの世界

美味しそうな料理は神様へ提供するはずのものでした。

千尋の両親は、神様のものを勝手に食べてしまった罰で豚に変えられてしまったのです。

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豚の問題とは?

 

元の世界に戻るため、千尋は湯婆婆が経営する湯屋、油屋で働き始めます。

千尋は様々な困難にぶつかりますが、沢山の人の助けで乗り越えていきました。

 

終盤、ハクは両親と千尋を元の世界に返すよう湯婆婆に要求します。

湯婆婆は元の世界に戻る条件として千尋に難題を課しました。

 

それは「油屋の前に集めた沢山の豚の中から両親を言い当てろ」というもの。

千尋の前に11頭の豚が現れますが、千尋は「この中に両親はいない」と回答します。

答えは見事正解。元の世界に戻ることを許されるのでした。

豚の問題のシーンは、千尋が元の世界に戻るための重要な場面です。

 

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豚の問題に宮崎駿監督が込めたメッセージ

 

「大当たり!!」の声が印象的なこの「豚の問題」のシーン。

豚の問題を通して、宮崎駿監督はあるメッセージを伝えようとしていると考えられます。

それは「愛するものや人に異変が起きたとき、君は気づけるか」というメッセージです。

このことは「問題に正解した千尋」と「坊の異変に気づかない湯婆婆」との対比でも分かります。

 

物語の中盤、湯婆婆の大切な息子「坊」は湯婆婆の姉、「銭婆」によってネズミの姿に変えられてしまいます。

しかし、ネズミを見た湯婆婆はなんと「なんだい、この汚いネズミは」と言い放ちました。

なんと湯婆婆は坊がネズミに変えられてしまっていることに気がつかないのです。

 

その後も湯婆婆は坊がいつもと違う行動をしていても異変に気がつきません。

ハクに「まだ分かりませんか、大切なものが入れ替わったのに。」と言われてようやく気づき、怒り狂いました。

 

「この中から両親を探せ」と言われたのに「この中にはいない」と回答する千尋とは真逆。

対照的な表現ですね。

このことからも、宮崎駿監督は「愛するものや人に異変が起きたとき、君は気づけるか」というメッセージを伝えたいことが分かります。

 

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豚の問題の謎:なぜ豚の中に両親がいないと分かったのか

宮崎駿監督の伝えたいことは分かりましたが、

「でもどうして千尋は豚の中に両親がいないことが分かったの?」という疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

これについてスタジオジブリは次のように回答しています。

「千尋が特別な能力を身につけたから、両親を豚と見分けることができたのではありません。

10歳の女の子が数々の危機をくぐり抜けて、「生きる力」を獲得したら、

みんな自然とそれができるはず。というのが宮崎監督の答えです。」

 

生きる力を身につけ、一人前になった千尋だから答えることができたんですね。

以上が豚の問題についての考察でした。

 

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最後に振り返ってしまうとどうなるの?

続いてもう1つ謎の残るシーン。「最後に振り返ってしまうとどうなるのか」について考察していきます。

千尋が元の世界に戻る際、ハクは「絶対に振り向かないで」と念を押します。

千尋は途中で振り返りそうになりますが、こらえて無事に元の世界に戻ることができました。

もし、このシーンで千尋が振り返っていたらどうなっていたのでしょうか?

次の2つの説が有力です。

振り返ると元の世界に戻れなくなる

油屋のある世界は神様たちの世界。つまり「あの世の世界」に近いものと考えれます。

神話や日本に伝わる慣習でも「あの世からの帰り道は振り返ってはいけない」「墓参りの帰り道は振り返ってはいけない」と言われていますよね。

 

神話では振り返ることにより悲しい結末になってしまいますし、

お墓参りの帰り道は、振り返ることによりあの世の世界に連れていかれてしまうと言われています。

 

このことから、最後に振り返ってしまうと元の世界に戻れなくなるという可能性が高いと考えられます。

振り返るとトンネル前のダルマにされてしまう

もう1つの可能性は「トンネル入り口のダルマにされてしまう」というものです。

千尋たちがトンネルをくぐるシーンでは、トンネル前に前と後ろに顔のあるダルマのような石があります。

元の世界に戻ってきたシーンでは、ダルマはただの苔だらけの石になっていました。

 

油屋で働いている人たちの話では、神様の世界に迷い込んでしまった人間は過去にもいたようでした。

このことから、「この石はただの石ではなく、帰る途中で振り返ってしまった人たちである」という可能性も考えられます。

なぜ千尋は振り返らずに済んだの?

油屋のみんなに別れを告げ、トンネルを通り始める千尋。

ハクの「振り返ってはいけない」という言いつけは頭の中にありましたが、思わず振り返りそうになりました。

しかし、千尋はこらえ、そのままトンネルを通り抜けます。

なぜ千尋は、振り返ることなくトンネルを通り抜けることができたのでしょうか?

このシーンを改めて見ると、千尋が振り返りそうになった後、千尋がつけている髪留めが光っています。

髪留めが光った後、千尋はまた前に向かって歩き始めました。

つまり、髪留めに何らかの秘密があると考えて間違いないでしょう。

 

この髪留めは物語の中盤で銭婆から「お守り」としてもらったものでした。

このことから、「銭婆がくれた髪留めには魔法がかかっていて、千尋を最後に守ってくれた」と考えられます。

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【まとめ】 千と千尋の神隠しラストシーンの考察

 

今回は『千と千尋の神隠し』の終盤のシーン、豚の問題の意味と最後に振り返ったらどうなってしまうのか?について考察しました。

豚の問題を通して宮崎駿監督は「愛するものや人に異変が起きたとき、君は気づけるか」というメッセージを送っていました。

人との繋がりが希薄になってきていると言われる現代において大切なメッセージですね。

 

また、最後に振り返ると「元の世界に戻れなくなる」もしくは「トンネル入り口のダルマにされてしまう」という

ちょっとゾッとしてしまう怖い話もありました。

 

全体を通して不思議な世界観の作品ですが、知れば知るほど面白い素晴らしい作品ですね。

改めて見返してみると、他にも考察したくなる場面があるかもしれません。

以上、千と千尋の神隠し「豚の問題の意味」と「振り返るとどうなるのか」の考察でした。

 

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